お見合い相手は、アノ声を知る人
「あのね、さすがにそう何度も引っ掛かったりしないわよ」
だから離して…と手を引っ込めようとするけど、ガッチリ握ってて離さない。
やな感じするんですけど…と思いつつも、普通はこれが週末の男女のあるべき姿なのかもな…とも思った。
……あの人とは、こんな風に外で堂々と会えなかった。
どこで誰と会うか分からなかったから、いつも自分の部屋でしか会えなかった。
たった一度だけしたデートも、誰も来そうもない山の中をドライブしただけ。どこにも立ち寄らず、真っ直ぐ自分の部屋に帰った。
そして、お決まりのように体を求め合って繋ぎ合ったーーー。
「……おい」
頭の上から声が聞こえ、ビクッと見上げる。
整った顔立ちの彼は怪訝そうに見下ろしてて、その瞳を見つめながら「何?」と聞いた。
「いいか、入るぞ」
どうもドアを開けようとしてたらしい。
私がぼうっと突っ立ってるもんだから、ぶつけてはいけないと気遣ってくれたようだ。
「…うん。いいよ」
だから離して…と手を引っ込めようとするけど、ガッチリ握ってて離さない。
やな感じするんですけど…と思いつつも、普通はこれが週末の男女のあるべき姿なのかもな…とも思った。
……あの人とは、こんな風に外で堂々と会えなかった。
どこで誰と会うか分からなかったから、いつも自分の部屋でしか会えなかった。
たった一度だけしたデートも、誰も来そうもない山の中をドライブしただけ。どこにも立ち寄らず、真っ直ぐ自分の部屋に帰った。
そして、お決まりのように体を求め合って繋ぎ合ったーーー。
「……おい」
頭の上から声が聞こえ、ビクッと見上げる。
整った顔立ちの彼は怪訝そうに見下ろしてて、その瞳を見つめながら「何?」と聞いた。
「いいか、入るぞ」
どうもドアを開けようとしてたらしい。
私がぼうっと突っ立ってるもんだから、ぶつけてはいけないと気遣ってくれたようだ。
「…うん。いいよ」