恋するオフィスの禁止事項 ※2021.8.23 番外編up!※
「すみません、今できました!見てもらってもいいですか?」
「俺は見ない。そのまま課長に出しといて」
「え?」
いつものように見てもらおうと差し出した資料の束を、先輩は手のひらで突き返してきた。
行き場をなくしたそれは、また私の両腕の中に戻ってくる。
いつもなら必ず手にとって確認してくれるのに、初めての反応に呆然とした。
「あの……先輩?」
「まだいちいち俺を通さないとダメなのか?自分の作ったもんに自信ないの?」
「いえ、そういうわけじゃなかったんですけど……スミマセン」
立て直したはずのショックがまたぶり返してくる。
仕方なくもう一度だけ資料の中身を確認してから、それを直接課長に提出した。
戻ってきてちらりと先輩の表情を確認したけれど、いつもと変わらない、怒っているわけではなく、淡々と仕事をしているだけの様子だ。
こんなことでいちいちしょんぼりして手を止めるわけにはいかないほど忙しいのは分かっているけれど、心の中にはモヤモヤが残ったまま。
なんだか先輩が何を考えているのかよく分からない。