恋を教えてください
「しのはら…………?」




ーガシッ



「ちょっと待って!!」






腕をひっぱられ、後ろによろける。





?!
なに?!





「みい……ちゃん?」




え?……
その呼び方……




「健ちゃん?!?!」




くるりと後ろを向き、
そこにいたのは幼なじみの須藤健優(けんゆう)こと健ちゃんだった。





成長した彼はやっぱりひょろひょろだけど、色気が出て、イケメンになってる……




て、そんなことより。





「どうして?!どうして健ちゃんがいるの?!」

「こっちに戻ってきたんだよ」





健ちゃんの手を取り、私は大喜び。




「わあ!!!嬉しい!!ちょっとお母さんに報告しなきゃ〜!!」





お母さん同士も仲良かったため、本当によく家族ぐるみで遊んでいた。
そんな、彼がこっちに戻ってきたんだ!



「みいは変わらないな、ま!またよろしくな」

一言だけ言って健ちゃんは家に入ろうとする。


「えっ」




そんなあっさり?
もうちょっと喜びを…………




「え?」

「いやっ!なんでもない!またね〜」


健ちゃんはすぐ家に入ってしまった。




なんだよ。
せっかく久しぶりに会えたって言うのに!!
ひどいよ!!!!





あ、そうか!
恥ずかしいかったのか〜にしししし。



健ちゃんの家の前で
ひとりでにんまりと笑っていた。


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