こんなの心臓もちません!
『甘えたい』とか、そういう言葉を出すと安心されるんだな。

空を見上げて、そっとため息をもらす。

きっと結良ちゃんは、

僕とは姉弟みたいな関係でいたいんだろう。

けど僕は……

「ねえ凛」

「うん?」

「そういえばこうやって手を繋いで歩くの、久しぶりだよね」

「え?あ、うん、そうだね」

そういうと結良ちゃんはふふっと微笑む。

「昔を思い出せてちょっと楽しいね。凛の手、あの頃より大きくなって、男の人っぽくなったけど」

そう言って僕の手をきゅっと握る結良ちゃんに

ドクンっと心臓が跳ねる。

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