こんなの心臓もちません!
「ふぅん……」

そう言ったところで、リビングのドアが開いて、

紗里さんと誠也くんが帰って来た。

「あっ、おかえりなさい!」

「ただいま〜、お留守番ありがとうね!
途中で誠也と会ったからついでにお買い物してきたの」

なるほど、

だから誠也くんの手が荷物でいっぱいなんだ…

「誠也くん、手伝うよ」

「大丈夫だから座っておけ。
そういやアイス買ってきたけどどれがいい?」

「わあ、うれしいっ」

そう言って微笑んだ私から目をそらして、

「……わかりやすいんだよ、お前」

千紘がそう呟いたことには気づかなかった。
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