孤独姫

びっくりしたなー
舞里ちゃんがこんなに喋るなんて

元々無口だったんじゃないんだね
本当は明るい子なんだねー


「舞里ちゃんは僕らのこと嫌い?」


「嫌いだよ、あんたらみたいな仲間作ってわいわいしてる奴らなんかね」


・・・・・・何かあったんだね
こんなに仲間を、
友達を嫌いになるなんてね


「僕だってね、最初はそんなこと言ってたんだよー」


「懐かしいな」


「僕ね、ここに来る前に違う族にいたんだ


これは僕の昔の話
僕がみんなのことを認める前の話


「その族はね、簡単に仲間を売るような奴らの集まりだったんだ」


・・・・・・聞いてほしい
舞里ちゃんは同情なんてしないと思うから


「僕はその族の幹部だったんだ」


「誰も信用せず、仲間とも思ってなかった僕は倉庫に警察が入ってきたときに仲間に売られたんだよ」


「復讐ってことかな」


「まだ未成年だったってこともあり、刑務所には入らなかった」


「けど、族からは見捨てられ、親にも見捨てられた」


「そんな時にあったのがじゅんじゅんだったんだ」


「一人がさみしいなら俺のところに来い、だって」


「かっこいいよねー」


「いきなりこんな話してごめんね」


「舞里ちゃんも、ここにいれば仲間がすごくいいことがわかるよ」


     遥said終


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