* allergenic *
部屋の玄関から中にズカズカと入って行く碧斗…


「なぁ さっきのあれ何?」


と怖い顔でこっちを見ている?


「薪乃さんの事ですか?エントランスを入った所で声を掛けられて、話してただけです。今日初めてマンションで会ったからびっくりしたけれど…」

「親しく話すのはダメだ。あいつはあの時も…優那の事を必要以上に見ていた。」


そうなの?だけど…


「何でダメなんですか?」


「これだから無自覚なやつは厄介なんだよ…。まぁ優那は可愛いんだから、男が側にいる時は 特に気を付けないと…」


「そんなの、碧斗が言うのはおかしいと思います。」

はぁ~…大きなため息をつかれ

「優那、お前の事が好きだから 他のやつの視界に入る事すら嫌なんだよ…。

なぁ今でも俺と付き合うのは 考えて貰えないのか?」


ドクン、ドキッドキドキドキ─────────────────


早すぎる心臓の動きに付いていけずに ふらついてしまう…

碧斗が私をぎゅっと抱きしめて 耳許で囁く…

「優那、あり得ないくらいにドキドキしてるな。返事はしてくれないのか?」


////ダメ─────。


ポロポロ涙が目から溢れて…


「…返事聞かせて?」


と甘く、
優しく顎をあげて 目を見詰めてくる


「あ、の…私────」

「ん?」

「碧斗、が────」

「俺が?」

「─────」


バタン…


優那は気を失ってしまった…




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