* allergenic *
「優那ちゃん、今日は朝から大変だったね。精神的にキツいよね…。あ~あ、優那ちゃんアレルギーなかったら 俺抱きしめて慰めて上げれるのに…」


それはそれで対応に困る訳で…


「///もう理人君、そう言う事は大事な人に言うんじゃないの?私に言っても意味ないんだから、ダメだよ…」

「あ~///そうだね。大事な人に言うんだね…。ごめん優那ちゃん。」


何故かしゅーんとする理人君に ん?と思いながら 二人並んで歩く。

今日は言葉少なく帰って 私のマンション前まで送ってくれる心優しい同期。


「理人君 いつもありがとう。また明日、お疲れ様。」

「うん、お疲れ様優那ちゃん。今日はゆっくり休んでね。」


理人君に想われる人は きっと幸せなんだろうな…って思いながら エントランスを抜け エレベーターを待つ。


「ねえ 君?」


急に後ろから話し掛けられ びっくりする。

えっ?

と思って振り返ると 思いの他近い所にいる人…

「///やっぱり…ラッキー。」

と話掛けて来たのは…この前のカフェでサービスチケットを渡して来た人…


「あっ///、カフェの人…」

「///この前はすみませんでした。俺、緊張してた上に、君が余りにも可愛くて手元が狂って。ここのマンションに住んでるの?」

「はい、あなたも?」

「俺1週間前に越して来たばかりで まだ、よくこの辺の事わからないんだけど…。」

「そうなんですか…駅前に行ったら 割りとお洒落な感じの店多いですよ…」

「へぇ また時間ある時に探索するよ。あっ、俺は 薪乃 秦(まきの しん)。よろしくね。」

「私は 深町 優那です。よろしくお願いします。」

「優那ちゃんって、名前まで可愛いんだね…」

にこりと笑う薪乃さんは 多分私より年上だと思う。ちょっとドキッとする瞳の持ち主で、ハーフなのか目鼻立ちがハッキリとしているイケメンさん。


「また お店にも来て欲しいな…。前に来てた人って彼?」

「前に一緒にいた人は会社の上司で、仕事前に時間調整のお茶をしてたんです。」


「そうなんだ。二人が並ぶと キラキラしていて眩しかったよ。上司の人…半端なく格好いい人だよね。」

「優那 そいつ誰?」

「え?」


碧斗がいた。え、何で?


「あのカフェにいた店員だよな…何でここにいるんだ?ストーカーなのか?」


「優那ちゃんの上司の人ですよね。俺は さっきここで会ったんです。」

「碧斗、あの薪乃さん 最近引っ越して来たみたいです。」

「そう。優那 お前ん家で今日はいいか?」

「はい、行きましょう。薪乃さん では失礼します。」

「またね、優那ちゃん。店にも来てね!」


チッ。

碧斗が何故かすごく不機嫌で 薪乃さんに対してかなり失礼な態度をしているのだけれど、立ち止まるのもおかしいので、エレベーターで部屋の階まで上がった。









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