所長による小動物系女子の捕獲計画
「でも、うさぎはなぁ‥‥」

正直、ない。可愛いとは思うが率先して飼いたいとは思えないのだ。

飼うなら、仔犬がいい。世話は焼けるけど、猫のように移り気じゃなく、素直で感情のはっきりしてる大型犬の仔犬。

それならきっと私が寂しい時にも寄り添ってくれる。守られてる感覚もするだろう。モフモフの体を抱きしめるのも気持ち良いに違いない。

そこまで考えて、現実に戻る。

いや、やっぱり私にもペットなんて無理だ。
ほっとくと倒れてしまいそうな上司の面倒をみなければいけないんだから。

妄想は終了だ。



仕事に頭を切り替えると、パソコンのメールを開いて、明日の打ち合わせ相手に時間の変更をお願いするメールを作成する。

多和田さんがこの時間から集中したら、一区切りつくのは多分夜中を過ぎる。そこから食事やシャワーをすれば、仮眠を取るのが明け方近い。やはり午前中の打ち合わせはキツイだろう。

幸い、明日の相手は気心の知れた大手ゼネコンの営業さんだ。これまでを考えても、朝イチの時間に打ち合わせを設定してあるのは後ろにずらせるように、のありがたい配慮。
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