所長による小動物系女子の捕獲計画
「もしかしてーー」

「そ、お前と行けば気を遣わず、しかも経費で飲めるからな。こんなチャンス、利用しないなんて嘘だろ」

「‥‥堂々と胸張ることじゃねぇよ」

大きく息を吐いたら、隣りで堪え切れなくなった名切元さんが肩を揺らす。

「だから昨日、名切元さんからメール来た時、よっしゃーってガッツポーズしちゃった」

染谷にダメ押しで言われて、完全に堪え切れなくなったんだろう。名切元さんがクスクスと声をだして笑う。

「申し訳ないと思ってたんですけど、お役に立てたようで、良かったです」

「よう、じゃなくて本当にお役に立ってくれたよ。だって俺、午前中に別の予定入れちゃってたし」

「マジかよ‥‥」

そうだった。こいつは優秀な営業だ。時間を無駄にはしない。

「名切元さんが来てくれるって聞いたからさ、今日はいい店予約したんだ。期待してよ」


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