所長による小動物系女子の捕獲計画
「それは重ね重ね、大変申し訳ありませんでした」

この歳になって、しかも上司相手にこんな失態を犯すなんて、涙が出そうだ。

でもここで泣くなんて、これ以上多和田さんに迷惑かける事は出来ない。どうにか謝罪の言葉だけ言って堪えた。

そのままじっとしていたら、顔を上げられないままの私のアタマに昨日と同じ心地良い温かさが降ってくる。大きな手でよしよしと撫でてくれる。

「昨日の名切元さんは巻き込まれ事故みたいなもんだからさ。こっちこそ、ごめん。俺、朝メシ買ってくるからさ。メシ食ったら送ってくから、用意しといて」

そのまま先にベッドを降りた多和田さんを視線で追うと、上半身は裸だけど、下は昨日と同じ服装だ。きっと私を抑え込むのに必死で着替えられなかったんだろう。

「シャワー浴びる?」

申し訳なく見ていた背中が急に振り返った。

「いえ、あの、大丈夫です」

「そっか。俺は使ってもいい?あ、でも今日なんか予定ある?」

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