所長による小動物系女子の捕獲計画
自分のシャワーより私の予定が遅れない事を心配してくれる優しい多和田さんは、もういつもの、私が知ってる多和田さんだ。

「予定ないので、ゆっくりシャワー浴びてください。土曜日にお休み出来るなんて、久しぶりでしょう?」

事務職の私と違って、進捗状況が遅れ気味な時や仕事が忙しい時、多和田さんは土日も出勤する事も多い。ここ一ヶ月はずっと土曜出勤してるハズだ。

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

安心したように笑った多和田さんが「あれ?」と首を傾げた後、急に赤面した。

「どうしましたか?急に顔が」

「いや、何でもない。大丈夫。あ、じゃあ急いでシャワー浴びてくるからっ」

大きな後を立ててドアを閉めた後、バタバタと足音も聞こえる。

「ふふっ。ホント、動きが仔犬っぽい」

恋人でもない男性に抱きしめられて目覚めるなんて、信じられない状況のはずなのに、私の心はとても穏やかで、鼻歌まで出てきそうだ。


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