所長による小動物系女子の捕獲計画
やっぱりそうか、と納得する。

今朝、シャワーの前に話していて、不意に疑問に思ったのだ。いくら記憶がないにしても、流石に身体に残る感覚とかでヤッたかヤッてないかくらいわかるんじゃかないか?、と。

それさえも分からないって事は男性経験がないとしか思えない。

つまり名切元さんから日常感じていた、ちょっとした壁や不思議な距離感、警戒心は、彼女が男を知らないがゆえ、なんだ。

その上で考える。

距離を取られているとしても、俺が嫌われているからではない。変に無防備なのも、男として意識されてないわけじゃない。

しかも、この機嫌の良さだ。普通、恋人でもない男と一夜を明かして、こんな無邪気な笑顔は出ないだろう。自己嫌悪に落ち込むか、きまりが悪くてよそよそしくなるかだ。

相手が名切元さんという小動物だから断定は出来ないけれど、好感触と考えていいだろう。自然なふうに、気付かれないように近寄れば、テリトリーに入れてくれるはずだ。



「そんなに気に入ったなら、このままドライブする?」

何気ないふうに、まるで何かのついでのように。細心の注意を払った誘いに、名切元さんがキョトンと目を丸くした。

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