女トモダチ
そして、そのまま教室を出て行ってしまった。

「おいおい、お前ハルトのこと怒らせんなよ~!」

「いやいや~、もしかしたら神条が告られてんのか気になって見に行ったんじゃね~?」

「おい、お前池田に聞こえんぞ?」

ギャハハと大声で笑う男子の集団には呆れてものもいえない。

バッカじゃないの?女にもモテないしセイラにも相手にされないからってハルトのことひがんでからかうなんて。

「アイツら、マジで最悪だし。でも、よかったね真子。ハルト君怒ってくれて」

「え?」

「だって気分悪いって言って出てったじゃん?あれってさぁ、彼女である真子のことあれこれ言われて怒ったからじゃん?アンタ、愛されてるね~!」

蘭が冷やかすような声をあげる。

へぇ……蘭はそう感じたんだ。

あたしはそうは思えなくて。

ハルトはあたしの話をされて不快に思ったんじゃない気がする。

セイラのことをもったいないとか逃した魚は大きかったと言われたから……。

失ってからその大切さに気付いてしまったとしたら……?
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