女トモダチ
「まさか、アンタ……――」

「セイラは真子のことを親友だって思ってるけど、あたしは違うから。あたしの復讐対象リストに入ってる。ほら、早く戻ったら?あたし、これから最後の大仕事があるの」

リカの言葉を最後まで聞くことなく、駆け出した。

お願い、無事でいて――!!お願いだから、無事でいて――!!!!

アパートの階段を駆け上がり玄関扉を思いっきり開ける。

「お母さん!!お母さん、どこにいるの!?」

靴を脱ぎ捨ててリビングに向かうと、両親と弟たちがシュークリームを食べ終えたあとだった。

「まさか……――そんな……間に合わなかったなんて!ダメ、早く出して!!そのシュークリームには毒が入ってるの!!お願いだから、早く――!!」

「やめなさい!!」

弟たちの口に指を突っ込もうと必死になるあたしを母が一喝する。


「ちょっと、真子!何をしているの!?」

「だって、だって……!!」

「まったく、どうしちゃったのよ」

母はその場にヘナヘナと座り込んで涙を流すあたしの背中をそっと撫でる。


「セイラちゃんとはちゃんとバイバイできたの?」

母の言葉に放心状態になる。


「えっ?」

「明日が引っ越しなんて驚いたよ。セイラちゃんも辛いだろうね。両親の離婚が正式に決まってすぐに一人で海外留学なんて」

母の言葉がうまく頭に入らない。
< 206 / 231 >

この作品をシェア

pagetop