女トモダチ
「真子にも彼氏ができたらダブルデートできるのになぁ」

独り言のようにつぶやいたセイラの言葉に喉元まで言葉が出かかる。

――ハァ?ばっかじゃないの!

そんなの嫌に決まってる。

グッと拳を握り締める。

セイラって意外と肉食系だという蘭の言葉を思い出す。

さっきからあたし……セイラにバカにされてるのかな。

セイラはあたしがハルトを好きだって知っていたらしい。

それなのによくもこうやってあたしの前でハルトの話ばっかりできるよね?

もしこの言動がセイラの計算だとしたら、恐ろしいぐらいに腹黒い。

セイラに対しての憎しみが沸々と沸き上がる。


「ていうかさ、今さらなんだけどいつからハルトのこと好きになったの?」

そもそもセイラはいったいいつからハルトに惹かれていたんだろう。

「なんか照れ臭いなぁ」

「いいでしょ?教えてよ」

イライラする。もったいぶってないでさっさと言ってよ。

「入学式の日……一目ぼれしちゃったの」

セイラは頬を真っ赤に染めてはにかむ。

「へぇ……一目ぼれ?」

「うん」

「そうだったんだ」

そんな前から好きだったんだ……。

全然気付かなかった。セイラがハルトをそんな目でみていたなんて。

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