Memory Puzzle
「では、次の賞です。主演映画女優賞、陽菜 愛美さんです!」
愛美は呼ばれた瞬間、顔をキリッとさせ優雅に壇上へ上がった。一気にカメラのフラッシュが愛美を照らし出す。
「この賞を受け取った感想をどうぞ。」
「はい。私はこんな賞が頂けるなんて思ってもいませんでした。この賞が頂けるまでここまで育ててくださった方々に、心から感謝します。」
そして、愛美が少し脇にそれた。もう私が呼ばれる。
「次の賞は、新人映画女優賞、白波 鈴音さんです!」
私は緊張しながらも、愛美の様に舞台に上がる。沢山のフラッシュを浴びる。
「第1作目の映画で賞を取られました。あちこちから賞賛の嵐です。世間では天才だと言われているようですが、どう思われますか?」
「私は全然天才だと思っていません。言ってしまえば劣等生です。でも、こんな私を見守り、励まし続けてくれた方が沢山います。その方々に感謝いたします。」
「では、白波さんにとって大切な人にコメントをお願いします。」
「私が1番大切な人は、今は亡き母です。きっと母は、私を今も見守り続けてくれていると思います。ありがとう、お母さん。」
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