Memory Puzzle
「いい人そう?」
梨々花は、不安そうに聞いてきた。
「うん。息子さんが記憶喪失だったらしく、私の役に立てたらって。」
「良かった。私ね、前に養子に欲しいって言われて入った事あるけど上手く行かなかったんだ。家族って簡単に使っちゃうけど、実は難しいよね。」
時音が思っていた事を見透かしたように、梨々花は言った。

いつも、不真面目そうだけど実は良い子なんだ。

周りのことをいつも、考えてる。

「良い人だといいな〜!」
少し、おちゃらけて言ってみた。笑う門にはナンチャラって言うし!
今日も1日の終わりに日記をつけた。つけたページが増えていくたびに、時音は嬉しくなった。楽しい記憶が増えていくから。

次の日。10時くらいに上田さんがやって来た。
お父さんの部屋に入ると、一気に緊張してくる。
「おはよう!」
「おはようございます。」
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