恋をするならきみがいい。
「俺、小野寺のこと好きだよ。でもそれが友達以上かって聞かれたらまだハッキリと分からない」
「………」
「でも、もし明日から小野寺が話しかけてこなかったら寂しいと思うし、話しかけられない状況になったら、すげえ苦しくなると思う」
ちょっとだけ笹原の声が震えた気がして、私はゆっくりと顔を上げた。
顔が赤く見えるのは夕日のせいなのか、
それとも私がウサギ目になってるせいなのか、
どっちにしても私と笹原は同じ顔をしてる。
「俺、次に恋をするなら小野寺がいい」
ドクンと心臓が跳ねた。
恋はどうなるか分からない。
それでも私は明日も変わらない。
今日よりも明日のほうがきみのことを好きになってるということ。
「とりあえずこの作業が終わったら一緒に帰りませんか?」
敬語になった笹原が愛らしくてたまらない。
「じゃあ、ひとつだけお願い」
「……?」
「いつもより遅いスピードで、ちょっと遠回りして帰ってくれますか?」
すると笹原が「もちろん!」と私の大好きな顔で笑う。
ひとつ、ひとつ積み重ねて。
いつかきみと終わらない恋がしたい。
――〈恋をするならきみがいい。END〉


