【短】恋愛ピュアリズム
もう、この時間じゃ完全に遅刻だ。
風紀委員でこれまた幼馴染のかずちゃんこと広瀬風月(ひろせかずき)に、怒られるのは目に見えてる。
「おー…お前らー。仲良く遅刻とは随分偉くなったもんだな」
「かずちゃーん。聞いてよー…尚斗がさ、尚斗がさー」
「へいへい。まぁた、尚斗と喧嘩しながら登校したんだろ?」
「むぅ。喧嘩し掛けてくんのはあいつの方じゃん。朝からめっちゃんこ最悪なんですけどー!」
「…なに、お前ら最近仲良くないわけ?そうは見えないけど」
そう言いながらも、かずちゃんは風紀ノートにメモをしてく。
その流れるような所作に、いつも目を奪われる。
「俺の事そんなに見てんなよ…てか、あいついいのか?」
「え?」