はたらかなくても、はたらいても君が好き
「悪いな。クライアントからの電話なんだ」
了承していないのに、近下部長からファイルが山積みに入れられた大きな段ボール箱を渡された私。
重っ!!!
「あの…近下部長…」
私、遅刻しちゃいます!!
「もしもし。おはようございます。はい、はい…。ああ、その件ですが…」
遅刻だ…。
「はい…。それはですね…」
遅刻だ…。
「ああ…それは…」
遅刻だ…。
「分かりました。10時ですね。お待ちしております。はい。失礼します…」
終わったぁ…。
「近下部長。これ…」
段ボール箱を近下部長に差し出す。
「馬場…悪い。10時にクライアントが会社に来るんだ。だから、その資料を返してる暇が俺にはない」
「はい…」
で?
「うん。だから馬場!!
俺の代わりに返しといてくれないか」
「そんな…困ります!!」
私もそんな暇ないですよ!!
タイムカードを押しに急いで総務部に行かないといけないんですから!!!
「昨日、俺が片付けをやったよな?」
「それは…感謝してますけど…」
「なら、頼まれてくれるよな?」
「いや…やりたいんですけど…」
今はやれません!!!
「じゃあ、頼んだ!!!」
「ダメです!! 無理です!! 出来ません!!!」
♪♪~。
「お願いなー。もしもし…」
「近下部長!!! 出来ません!!!」
出来ないんです!!
「ああ…。ちょっと待ってくれ…。
馬場!!」
「はい!!」
分かってくれましたか?
「10階の第2資料室に返してくれ」
へっ?
「あっ、もしもし。ああ、今行く」
今、行く?

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