はたらかなくても、はたらいても君が好き
これはあくまで私の想像だが、黒井秘書は遠峰部長と近下部長にそれぞれ書かせたんじゃないだろうか…。
“増月隼世と馬場真那がキスした事を誰にも口外しない事。破ったら増月建設を辞めます”と。
そして、2人が帰る時に
『お2人を信用してますからね』
黒井秘書にその言葉を言われて、あの作り笑顔を見せられたら…。
遠峰部長と近下部長でも、怖くて話せないよね…。
増月社長も黒井秘書に何かをされているみたいだ…。
居る…。
社長室に通る前にある秘書の席に黒井秘書…。
「あっ…」
増月社長…。
彼も居た。
増月社長は私の存在に気づくと、私に向かって歩いてくる。
「社長!!!
君、一体何しに!!」
厳しい顔の黒井秘書。
怒ってる…。
「あの…増月社長に書類を渡しに…」
「俺に会いにだ…」
「えっ? 違います…。キャー!!! 増月社長?」
私の体は一時宙に浮き、一瞬で増月社長の両腕の中に落ちた。
「社長!!!
何してるんですか!!!」
「そうですよ…。
増月社長…何を…」
「真那…。
俺に…しっかりつかまれ…」
「どうして…」
すると、増月社長は私の耳元で
「逃げるためだ…。
…いいな?」
「はい…」


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