【BL】お荷物くんの奮闘記
「……うん」


「じゃあもう寝ようぜ。オレからも聞きたい話はあったけど、それはまた追々な」


 スマホのステータス画面では、リュータの職業はパラディンに戻っていた。炎の羽根を出したあの姿でいる時のみウリエルになるのか、それとも本来は一度ウリエルになってしまったら元に戻らないところを自分が無理矢理蘇生術で引き戻してしまったのか。

ダメージを受ける受けないに関わらず、天使になっている間MPとHPが減り続けていたように見えたのは仕様なのか、別の理由があるのか。パーティのスキルを把握しきれていないのは正直痛い。


 けれど、こんな話の後で彼を質問責めにするのも気が引ける。これまでリュータとはそんなことを気にする間柄ではなかったはずなのに、こちらにやってきてからどうも調子が狂っているようだ。


 部屋の灯りを消して、それぞれ床に就く。ここまでは漠然と、異世界に呼ばれた勇者ご一行として設定された魔王について探っていた。

魔王撃破で問題がないようであれば魔王城を目指しつつ帰る方法を探すというスタンスで今後も旅を続けてもいいものか、どうも誰かの手の内で踊らされているように思えてならない。


 反社会組織についての情報を得ることで、何か状況は変わるだろうか。
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