【BL】お荷物くんの奮闘記
扉を開けると、奥に待っていたのはまたしても光の文字列で、今度は文字列が部屋中に飛び交う中で炎属性の魔物まで出るという厄介なフロアだった。
「一旦広域魔法で魔物だけ倒してから謎解きする?」
「それもアリだが、ここで魔力を大幅に消費するのも最後の試練フロアのことを考えると得策じゃねえかもな」
一瞬考えるそぶりを見せたユウが、またおもむろに先ほどの紙の裏へペンを滑らせ始める。
「ひょっとしたらこの神殿自体、異世界のアセンブラ呪文で構築された建造物なんじゃねえかな」
「なんで?」
「特に根拠はねえから、今試そうと思って」
フロアに満たされた文字列をあちこち見回しながら、手元だけが紙の上で動く。
「ADATA……ADATA……あった。あとはMEXITを持ってきて……」
再び頷いてペンを荷物に仕舞った彼が奥へ進んでいくのを見て、慌てて後を追う。魔物が襲い掛かってくる直前、彼が素早く文字列の三箇所を突いた。
まるで重力操作魔法で足止めでも食らったかのように、魔物だけが動きを止める。
「すごい……」
「オレは、あいつに教えてもらっただけだ。ほんとにすごいのはダイゴの方だよ」