【BL】お荷物くんの奮闘記
画面には黒いメッセージボードが表示され、ゲームスタート時のモノローグのような雰囲気で白いテキストが流れ始めた。テキストはこの世界の言語だ。
誰かから誰かへ宛てたメッセージというより、まるきりRPGの語り口である。テキストは四行ほど表示された状態で止まり、文末に逆三角のアイコンがちかちかと点滅する。
コントローラーで操作をしなければ先が読めないらしい。
勇者よ目覚めよ的な、ひと昔どころかふた昔くらい古いお決まりのフレーズが一行目。それから二行目以降は、この世界の置かれている危機についての説明だ。四行目から、その危機の回避方法について触れ始めている。
コントローラーを拾い上げて、画面の前に座り込む。リュータが隣に膝をついた。右手親指のあたりに位置するボタンを押すと、メッセージが進行する。
この世界を救うために必要なアセンブラ呪文は、きっと君には全てを理解できないだろう。その一文が一行目にやってきた。
「これはありがたいな」
「なにが?」
「プログラミング言語なんてその手の学科専攻じゃなきゃ資料無しに使えるほど覚え込んでる奴は居ないだろ。オレもさっぱりだ。
だから正直、世界の呪いやら何やらの根本解決にプログラミングスキルが必要になったら手詰まりだなって思ってたんだよな」
スマホで調べようにも電波入らねえし。訊ねてきたリュータの方には目を向けず、画面を凝視したまま言い放つ。
必要と思しきコマンド自体は全て、このゲームソフトに一通り入力済みである旨のメッセージが三行目以降に記載されている。
誰かから誰かへ宛てたメッセージというより、まるきりRPGの語り口である。テキストは四行ほど表示された状態で止まり、文末に逆三角のアイコンがちかちかと点滅する。
コントローラーで操作をしなければ先が読めないらしい。
勇者よ目覚めよ的な、ひと昔どころかふた昔くらい古いお決まりのフレーズが一行目。それから二行目以降は、この世界の置かれている危機についての説明だ。四行目から、その危機の回避方法について触れ始めている。
コントローラーを拾い上げて、画面の前に座り込む。リュータが隣に膝をついた。右手親指のあたりに位置するボタンを押すと、メッセージが進行する。
この世界を救うために必要なアセンブラ呪文は、きっと君には全てを理解できないだろう。その一文が一行目にやってきた。
「これはありがたいな」
「なにが?」
「プログラミング言語なんてその手の学科専攻じゃなきゃ資料無しに使えるほど覚え込んでる奴は居ないだろ。オレもさっぱりだ。
だから正直、世界の呪いやら何やらの根本解決にプログラミングスキルが必要になったら手詰まりだなって思ってたんだよな」
スマホで調べようにも電波入らねえし。訊ねてきたリュータの方には目を向けず、画面を凝視したまま言い放つ。
必要と思しきコマンド自体は全て、このゲームソフトに一通り入力済みである旨のメッセージが三行目以降に記載されている。