スーゼントの怨霊

ゲーム開始から一週間が過ぎた。
だが、あれから犠牲者は出ていない。

そして、この日、ハデスの不満が爆発する。

「誰も死ななければ面白くない。意味がないっ!」
復讐に燃えるハデスはいきなり村人達に伝える。
「おい!お前ら!よく聞けっ!今からルールを変更する。俺が合図をしたらシュリバ達が決めた家に襲いかかる。どんなやり方かはこいつら次第だ。」
ルール変更を告げると有無を言わさず、口笛を吹いた。
ピュ~という音が村全体に響く。
シュリバの亡霊は気味の悪い声を上げ、闇に姿を消した。

最初の標的にされた家には男女の子供が一人ずつと両親が住んでいた。
父親は子供と妻を抱きかかえている。
子供は恐怖がやってくる事に恐れ、父親の腕の隙間から窓とドアをしきりに見ている。
ドアを確認して窓を確認する。
だが、何も居ない。
緊張を解いてもう一度窓をみた。
すると、何かが光っている。
懐中電灯の光だった。
「お父さん!誰かいるよ?」
窓から視線を父親の顔へ向けた。
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