スーゼントの怨霊

昔の記憶

あれから十年後。
ハデスの姿は変わり果てていた。
霊になっても成長し続け、大人の顔になっている。
血が吹き出し、青白くなった腕は切り落とされ、上達した魔力を使って腕を再生していた。
しかし、骨の形成がややこしかった為、ムチのように伸びてしまう。


ハデスは忘れてはいない。
十年前の怨みと企みを。
そして、今夜。
忘れ去られた恐怖が一斉に襲いかかる。

村では持病で一人を失った以外、誰も死んではいない。

不気味に笑みをこぼし、沈みかけた太陽を眺めていた。
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