短編:内緒のはずの片想い
 気合いを入れ直してお兄ちゃんの元へ戻れば、お兄ちゃんは色んな女の人に囲まれていた。

 ただ囲まれてる訳じゃなくて……、私の知らない顔で笑っていた。
 今までに見たことがないような幸せそうな顔。

 女の人に何かを言われて、顔を赤くするお兄ちゃん。

 あのひと、彼女、なのかな……?

 私の思考はそれで、埋め尽くされた。




 だめ押しとばかりにお兄ちゃんが、その女の人を抱き締める。




「……っ!」

 駄目だ。もう、我慢できない。

 私はお兄ちゃんに背を向けて走り出した。


 誰もいないところを探して。誰にも見つからないところを探して。


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