短編:内緒のはずの片想い
 お兄ちゃんが、ぴくりと震えた。その隙に私はお兄ちゃんの胸を強く押す。

 お兄ちゃんはぐらりと揺れてたたらを踏んだ。

「なんで、そんなこと言うの? そんなこと言われたら……私本気にしちゃうじゃないっ!」


「愛……?」


「私はお兄ちゃんが好きだよ! 家族としてじゃなくて、一人の男性として! でもお兄ちゃんは違うよね、妹だから大事にするんだよね? ……ならもう、そんなこと言わないでよ」


 お兄ちゃんの好きは親愛の好き。

 私の好きは恋愛の好き。


 大きな差があるんだよ。だからお願い、これ以上、私を攻めないで。

 涙がいくつも落ちていく。


「愛はその事で悩んでたの?」


 私の無言を肯定と受け取ったらしいお兄ちゃんは、私にこう言った。

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