職場恋愛
最初に頼んだ料理が出揃ってほろ酔い気分になってきた頃、私はあることを思い出していた。


山野さんが私と航の交際を知っていた件。


『しま』っていう人から聞いたっていってたけど、もしかしなくても島田さんなんじゃないかって。


だとしたら言いふらさないでって言わなきゃ。

「島田さんって、山野さんになんて呼ばれてますか?」


「え?しまだけど、何?」


本当に心当たりがなくて首を傾げているんだろうか。

航も「どうしたの?」と言いたげな顔で見てくる。
なんか言いづらい…。


「あ、あの、その、私たちのこと言いました?」

「私たちのこと?」


依然首を傾げながら聞き返してくる。
ここまで言って分からないなら逆に違うの…?

「わ、私たちがつ、つ、…付き合ってること…」


「……………あぁ、うん、言った!」


そんなに考えなきゃ思い出さないの!?
記憶力悪すぎない!?


「お前………はぁ……」


航は呆れ果てたように下を向いてしまった。
私も呆れるよ。


「言っちゃダメだったの?なら言ってよ〜。ダメって言われても言うけど」


はぁ!?

高らかに笑う島田さんは敵なのか味方なのか…。
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