職場恋愛
元の席に座った航はポケットからタバコを取り出した。


やっぱり喫煙者だ。


って、別に疑ってるとかじゃないけど、あまりにも似合わなすぎて不思議。


火をつけて吸って吐くっていう単純作業だけど、なんか慣れてる感じで喫煙者を感じさせる。

喫煙者なんだけどさ。


「見惚れてんぞ」


「え?」


島田さんの衝撃の言葉で私を見た航。

目が合ってしまった。


「いや、あの、違うんです。いや違うっていうか」


「ふふ、かわいい」


少し照れながら下を向いた航の方が可愛いよ。

「あー!私そろそろ電車がないかもー」


もろに棒読みで言ってしまって後悔するけど、後の祭り。


「荒木ちゃん大根すぎじゃね?」


「うん、すごかったね。めっちゃ棒読み」


目の前に座る2人に笑われて余計気まずくなってしまった。


「つーか家ならすぐそこにあんじゃん。逢坂ん家」


「あ、いや、今日は帰ります」


「今日は?今日はって言った?泊まったことがあるのかな〜?」


荒木、失言。
また言いふらされる。


「今日も泊まっていけば?もう遅いし」


腕時計を見ながら自然な感じで言う航。
島田さんの前ではだめだよ、そんなこと言っちゃ。
私も失言したんだけど。


「いや…今日は、大丈夫!帰る!」


「んだよ〜。気持ち良くしてもらえばいいだろ〜」


トンデモ発言をした島田さんに拳骨が飛んだのは言うまでもない。
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