職場恋愛
香織は友達だと思ってたんだけどな。


「結、真面目すぎない?それに…」


何かを言おうかと躊躇っている香織に嫌な予感しかしない。


「…何?」


でもじれったくて急かしてしまう。


「…結も早上がりさせてもらうこと多いじゃん。それと一緒でしょ?むしろあたし達の方が全然マシじゃない?帰るわけじゃないんだから」



すごい馬鹿にされた感じがして。
ムカついて。


裏切られた感じがして。
怒りより悲しみが勝ったから。


「私の事、そんな風に思ってたんだ。なんか、意外だなー。真鍋さんはいい子かもって思ってたからさ〜」


わざと呼び方を変えて距離を置いた。


「てか、すぐ戻るって言ったくせに戻らないから休憩してこようよ。ね、かおりん」


「そうですね〜。じゃ、よろしくっ」


「お前ら減給させるぞ」


2人が私に背を向けたとほぼ同時に聞こえた男の人の声。

この声は。


「い、いつからそこに?」


背を向けたはずの岩木さんが振り返って焦ったような顔をする。


「ほら、ゆーちゃん行くぞ」


山野さんは岩木さんの問いかけを完全に無視して私の腕を引っ張った。

無表情な彼からは感情が読み取れなくて逆に怖い。


でも、私の歩幅なんて関係なしに歩いてるってことは少なからず怒ってるってことで。


完全に嫌われた…かな。
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