職場恋愛
side 結


腕を引っ張られたまま階段を半分降りたところで止まった山野さん。


「…戻るって言ったのに戻らなくてすみません」


前に『仕事中の失敗は仕事中に片付けて』と言われたことを思い出してすぐに謝った。


「別にいいけど、行きたくないとこに呼ばれた時はさ、一言声かけてくれればなにかしら対応はするつもりなんだけど」


怒ってるんだか優しいんだか…。


「國分さんも言ってたろ?ゆーちゃんはもう携帯の人間なんだからって。呼ばれたからってホイホイ行くんじゃないよ」


恐る恐る顔を見上げるとあの時のような怖い視線はなく、いつも通りの山野さんでホッとする。


「店長代理とかリーダ様に呼ばれたんじゃ話は別だけど。これからは誰かしら携帯の先輩に声をかけてから行くように」


「…はい。すみませんでした」


それだけ言って先に携帯コーナーに戻ってしまった。



居場所がなくなるのも時間の問題なのかな。
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