職場恋愛
審判を山野さんにお願いして、いざ勝負!


ってところで、りんちゃんさんに呼ばれた。



「あっちに太鼓の鉄人あるからやろーよ!」


「あ、はい!」


本当は航の試合を見たいんだけど…。
まぁいっか。





「ゆーちゃん曲選んでいいよ」


何年ぶりだろう。今じゃ曲もすごい増えてるんだな〜。


「じゃあこれで」


「涙そうそうって、ゆーちゃんしぶっ」


「簡単そうなので…笑」




懐かしいな。高校生の頃ハマって友達と何十回もやって筋肉痛になったっていう…。










涙そうそうだからって難易度を『難しい』にしたのが間違いだった。
ドンドンカッが打てない。

カッ がすごい難しい。

何回もコンボが切れちゃう。



「ゆーちゃん、下手くそじゃね?」


誰も見てないと油断していたら後ろからつり目さんの声が聞こえて、ドキッとしてしまった。


「りん、フルコンじゃん」


えっ。

自分のところを見るのに精一杯で全然見てなかったけど、157コンボらしい。


って、よそ見してたから私のドンちゃんが泣いてるわ…。



『フルコンボだドン!』



うわ…最悪…。



『ノルマクリア成功』
『ノルマクリア失敗』


私ただの下手くそじゃん。


「ゆーちゃん!ちゃんとやって!?」


「超本気ですよ!!」


謎に怒られてしまった。
でもこれが私の本気なんです。残念ながら。



『もう一曲遊べるドン』


「つり目さん代わってください。見て学びます」


「っしゃー!本気出そ」



高校生の頃はもう少し上手かったと思うんだけどな。








「はぁ!?あんたコンピューターなんじゃないの!?意味分かんない!」



つり目さんとりんちゃんさんの対決は、鬼レベルでの千本桜だったのだが、難しさのあまりりんちゃんさんは途中で諦め、一緒につり目さんのバチさばきを見ていた。


つり目さんが太鼓の鉄人のスペシャリストだったなんて誰も知らない事実だった。
< 397 / 543 >

この作品をシェア

pagetop