職場恋愛
side つり目



日曜日、大阪で迎えた朝は眩しかった。

6人もいた旅行が半分になっちゃってなんとなく寂しいなーなんて。
誰にも言わないけど。



今現在7時、俺の目の前にはどうやらおかしな光景が広がっているらしい。




俺、りん、ゆーちゃんって川の文字通りに寝ていたはずなんだけど、何故だろう。

俺の足にゆーちゃんがしがみついてんだよな。


間にりんがいたのにどうしてか、俺の足にくっついて寝てるってどんな状況よ。

どうしたもんかとすぐ隣のりんの肩を揺らす。これは俺にはどうすることもできない。



「んぅ……ふあああ…………、えっ何してんの」


案外すんなり起きたりんは大あくびの後で男みたいな声を出した。


「俺が聞きたい」


「どんなプレイよ、きっもー」


「起きたらこうだったんだよ!俺がやらせたんじゃない!」


なんとなく小声で叫んだらりんは苦笑いしていた。


「ねぇあんた」


いつもの高い声ではなく地声というか素のりんというか、そういう割と低めの声で呼ばれた俺。


「ゆーちゃんに惚れられてんじゃないの」


………。


………。


………。




「…は?」



「あんたって顔はキツネみたいなふざけた顔してるけど、言葉や仕草は優しいからね」


「なにそれ、褒めてんの?貶してんの?告白してんの?」


「別にゆーちゃんが誰を好きになろうがどーでもいいけどさー。結果的に悲しませるような優しさを振りまくのはやめなさいよね」


「は?だから何?俺がなんかしたって?責められてるの?俺」


「したんじゃないのー?2人きりの時に」


いや、え、なに。
俺に責任ふっかけてくる?



「慰めはしたけど別に…お前だってゆーちゃんに元気がなかったら慰めるだろ」


「あたしはね?女だから別に慰めようが抱きしめようが関係ないの。
あんたは男なんだから。2人きりの時にそんなんしてたら勘違いするよ。ゆーちゃんみたいな子は特に」


「いやいやいやいや、ないから。俺この歳で彼女いないし。この顔だし。こうちゃんとはかけ離れてるから」


「タイプが全然違うからって好きにならないとは限らないのよ。
あんた、告白されても簡単に受けないでよ」


簡単にって。そもそも告白なんてされないから。


「今はこうちゃんとギクシャクしてるから勘違いしやすい状況なの。仲直りすればあんたのことなんて綺麗さっぱり忘れるからそれまで絶対ゆーちゃんに勘違いされるような、思わせぶりとかやめなさいよ」


「いや…分かんねーし、何がダメとか」


「むやみやたらに優しくすんなって言ってんの。こうちゃんはもちろん、後になってゆーちゃんのことも傷付けることになるから」


はぁ…?


何言ってんだよ、山ちゃん不在で頭イかれたか?
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