ヘップバーンに捧ぐ
とても、懐かしい記憶に浸っていた。

専務は、慌てて
『ごめん、言い方、きつかったよね?
うわっ、どうしよう!
さーくーらーちゃん!』

何だが、とてもおかしい。
私が、笑ってると

『ごめん、僕の幻覚?
咲良ちゃん笑ってる。
俺に向けて、笑ってくれてる。
どうしよう、写メ撮りたい!』

「専務、それはやめて下さい。
私だって、楽しかったら笑いますよ。
失礼な!

昔、叔母ににも同じ事を言われたので、
その想い出に浸ってました。
そんな、真顔でした?」

「うん、タマシイ抜けてたよ。
生きた心地しなかったよ。
そんな、咲良ちゃんも好きだけどね‼︎‼︎』

「…………

でも、夏バテしてるってわかりましたね?」

あえて、あの部分は突っ込まないぞ。

『咲良ちゃん、とってもとっても
大事な部分スルーしたね、
…まぁいいや。

そりゃわかるよ!愛してやまない
咲良ちゃんのことだもん。
わからんわけが、あるまい!
地球滅亡の日は、わからないけど
咲良ちゃんの事なら何でも、
わかるよ。』

「……ありがとうございます」
ちょっとだけ、素直になってみよう。

『咲良ちゃん
もう一回、言って!録音するから』

「バカなことしないで下さい!
もぅ、何処にご飯連れてってくれるんです?」




ねぇ、紗英ちゃん

私、もう少し
素直なってみるよ。
だって、心配してくれる人がいるって
照れ臭いけど、嬉しいもの。




今日の月は、とっても綺麗に
輝いている。

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