極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 涼我が声を張り上げた。こんなに激昂した姿は、長い付き合いだけど今まで見たことがない。

「殺されかけたって……大げさだよ」

「アナフィラキシーショックって知ってるだろ。アレルギー症状がひどく出てたら死んでたかもしれない」

 たしかにそれは一理あって、アレルギーを甘くみてはいけない。
 それは私もわかっていたのに、食べたのは迂闊だった。

「俺がこの手で、そいつを一発殴らないと気が済まない」

「涼我、待って!」

 勢いよく飛び出そうとする涼我の腕にしがみつき、その動きを制止する。

「海老を食べろと言われて、食べたのは私。無理に口に突っ込まれたわけじゃない」

「いや、だけど!」

「それに相手は弁護士だよ。殴ったら百パーセント暴行罪で訴えられる」

 三浦さんは殴られて黙っている人ではないから、涼我の気が済んだとしてもその後が怖い。
 きっと警察沙汰にするだろうし、もし怪我をさせたら暴行罪だけでは済まず、傷害罪になる。
 そんな事態は絶対に避けたいし、巻き込みたくはないから必死で止めているのに、涼我の怒りはまだおさまらない。

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