極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 眉根にシワを寄せる俺を見ながら、ヒロも渋い顔でタブレットを俺に手渡す。

「やっぱ知らなかったんですね。この人、結婚してますよ。アメリカ人妻との間に子供もいます」

 タブレットに映し出されていたのは、アメリカ人妻のSNSの画像だった。
 三浦にはなかったが、妻には別のアカウントがあり、そこには家族三人で仲良く撮られた写真がアップされていた。

 ちょっと待て。
 三浦は既婚者でありながら、それを隠して和奏にちょっかいを出そうとしていたってことか。
 とんでもないゲス野郎じゃないか。

 和奏もなぜ気がつかなかったのか疑問だが、きっと三浦が徹底して家族のことを隠していたからに違いない。
 三浦はアメリカと日本で二重生活を送るくらいの経済力はある。
 さすがに重婚は無理だから、和奏を愛人にでもするつもりだったのだろう。
 もしくは、飽きればポイッと捨てるくらいの存在か。

 やはり調べてよかった。今ならまだ間に合う。
 和奏は傷つくだろうけど、とことんボロボロにされる最悪の事態の前に救ってやれる。

 この事実はさすがに伝えにくいが、落ち込む和奏を受け止めて慰めるのが昔から俺の役目だから。
 だけど、いつまでもこの中途半端な関係性でいるのは限界だ。
 好きな女が弱っているところに付け込むとか、そんな計算は一ミリもないけれど、もういい加減、三浦みたいな男に熱を上げて騙されかけるところをこの先も見続けるのは俺もつらい。

 和奏を手に入れるのか、十八年もの友達関係にピリオドを打つのか、そろそろハッキリさせるときが来たのかもしれない。

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