極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 次の日、私は仕事を定時で上がり、帰り道で涼我に電話をかけてみたけれど、何度目かのコールで留守電に変わる。

 はぁ、と無意識にため息が漏れた。
 こうなると、意図的に無視されている可能性が濃厚になってくる。

 夕方だからきっとまだ会社にいるだろう。
 いつもは乗らない路線の電車に乗り、涼我の会社がある駅で降りた。

 会社まで押しかけるのはどうかと思ったが、このときは思考回路がショートしていて、とにかく涼我の顔を直接見て話したい気持ちしかなかった。

 久しぶりに来たこの駅は、前々から行われていた工事が終わり、私が知っているものとはずいぶんと風景が変わっている。
 慣れない動線をたどって出口からは出たものの、目当ての涼我の会社はどっちだっただろうとキョロキョロと辺りを見回した。


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