極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「ごめん、お母さん。今、涼我のとこに行こうとしてて……」

 仲のいい母娘なら、じゃあ涼我も誘って三人で食事に、なんて話になりそうなものだけれど、今の私はそんな気持ちにはなれなかった。

「あ、涼我くんには、お母さんもこの前会ったの。大人になっててびっくりしたわ」

「そりゃ……私も涼我も二十七だからね」

 母が家を出てからもう九年。それだけ月日が流れれば私も涼我も成長してあたり前だ。

「涼我くんにお礼言っといてね」

「お礼?」

 なんの話かわからなくて首をかしげると、母はうれしそうにニッコリと笑った。

「高い保険、入ってくれたのよ」

「涼我が?」

 涼我から母と会ったことは聞いたけれど、母のところの保険に加入しただなんて初耳だ。
 もしかしたら母が勧めた保険を、断れなくてそのまま受け入れたのではないだろうか。
 加入すれば、母の営業成績に繋がるから。

「お母さん、悪いけど、そういうのやめて」

 眉根を寄せて真面目な顔で詰め寄ると、母の笑顔が苦笑いに変わった。

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