俺様Dr.に愛されすぎて
「かっこ悪いからあんまり言いたくなかったけど、俺子供の頃体弱かったんだよ」
「え?そうなんですか?」
「喘息持ちでさ、すぐ発作起こして入院して……高熱も頻繁に出してたし、中学くらいまで学校にもまともに通えなかったくらい」
それは、今の彼からは想像つかないような過去だった。
「今は大丈夫なんですか?」
今もまだ喘息があるとしたら、これまでのことや、さっきの映画館での肌寒さも体にさわるのではないだろうか。
不安げにたずねると、真木先生はその不安を拭うように笑う。
「もうすっかり。今では風邪すらも滅多にひかないよ」
それならよかった……。
安堵した私に、その目は微笑ましそうに細められる。
「けど子供の頃は、なんで俺だけってへこんだり悲しんだりもしてた。普通に遊べる友達がうらやましくてたまらなかったな」
「そう、だったんですか……」
「けど主治医の先生がすごくいい人でさ。親身になってくれて、暇さえあれば構ってくれるような人で、まるで友達みたいな先生だった」
真木先生にとっての先生のことを思い出しているのだろう。
まるで子供が自分の友達を自慢するかのように嬉しそうに話す、その表情が少しかわいい。
「成長につれて俺の喘息がよくなって、もう通院しなくて大丈夫、ってなった時に先生泣いてくれたんだよ。よかった、って、これまでできなかった分、いっぱい学んで遊んで目いっぱい生きろって」