俺様Dr.に愛されすぎて




食後、新宿から数駅移動しやってきたのは新橋にある大きな庭園。

今日はゆっくり過ごそう、というわけで、自然の中を散歩しようと決めたのだった。



高いビルに囲まれる中にある、大きな池や茶屋、お花畑など。

江戸時代に庭園として造られたというそこは、ここが都心ということを忘れさせるほど緑が溢れていた。



「わ……すごい、緑が綺麗ですね」

「あぁ。いい時期だな」



私たちを迎えるかのようにそっと吹いた風が、緑の葉と小さな藤の花をそっと揺らした。



今日はたまたまか人が少ないらしく、静かな園内をふたりでゆっくりと歩いていく。



こうして歩く間も、自然と手はつないだまま。

こうして歩いていると、周りからは普通の恋人同士に見えるのかな。なんて、うぬぼれてしまう。



ちらっと真木先生を見ると、同じタイミングで彼もこちらを見た。

同時に合った目と目に、心臓が飛び跳ねて私は慌てて目をそらした。



「どうかしたか?」

「えっ!?い、いえ!その……」



恋人同士に見えるのかな、なんて思ってました。なんて言えない!

なにか他の話題を……天気の話、よりももっと膨らみそうな話題で、仕事の話、はあんまりしすぎるのもよくないし……。



「あっ!そういえば真木先生って、なんでお医者さんになったんですか!?」



散々あれこれと考えた結果、結局仕事関連の話題になってしまった。

自分の話題の少なさに落ち込みながら、彼の答えを待つ。



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