待宵草~羽賀夏貴~
それからだった。俺は無意識に葉山のことを目で追うようになった。
彼女はたまに目が合うと少し恥ずかしそうに微笑んでくれた。
その顔が妙に可愛くて愛おしくて。すぐに気づいた。俺は葉山桜音のことが好きだということに。
だから次の年同じクラスになったとき俺は嬉しかった。葉山との接点が増える。そう思ったんだ。
その先にある辛い現実に気付くなんて知らずに。
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