あなたと私の関係
道端に停めてあるメタリックブルーのセダン。
駐禁を取られていないことを確認した雨宮さんは、慣れた手つきで鍵を開け、運転席に乗り込んだ。
「………私、ついていってもいいんですか?」
エンジンをかけた雨宮さんは、さっさと乗れと言わんばかりに私を見てくるけど、本当にいいのかな。
「お前に何かあれば、菜穂子に顔向けができん。ただ、こんなことはもうこれっきりだ」
「じゃあ、私、一緒に暮らしてもいいんですか?」
「さっきからそう言ってるだろう」
再びさっさと乗れ、と急かされ、私は助手席に乗り込む。
「ただし、条件がある」
私がシートベルトを付けたところで車は動き出し、雨宮さんが口を開いた。
「周りには絶対言うな。俺の本名も、同居のことも、もちろん家の住所、連絡先もだ」
「わ、分かってますよそれくらい!第一、私雨宮さんの連絡先知りませんから安心してください」
「2.3ヵ月とは言え一緒に暮らすんだ。登録しとけ」
「え」
差し出されたのは本日2度目のメモ用紙。
書かれていのは電話番号と、メールアドレス。
「あくまで緊急用だ。しつこく連絡してくるなよ」
「……私のことなんだと思ってるんですか」
「ミーハーなクソガキ」
かちん。