あなたと私の関係




怖そうな人じゃなくてよかった、けど。





「じゃあ、今日の放課後体育館の舞台上集合で」




カッターシャツは相変わらずびしょびしょのまま、ひらひらと手を振る彼に私は深々と頭を下げるしかなかった。




放課後ってことは、少し帰りが遅くなっちゃうな。




とは言えお詫びをする側の私が日にちを指定するわけにもいかず、急ではあるけど雨宮さんにメールを打つ。




急で申し訳ありませんが今日は少し遅くなります。勝手申し上げてすみません…っと。




もちろん返信はないけれど、きっと見てくれるはず。




にしてもあの人、どこかで会ったことあったっけ?




うんうんと考えてみるけど、全然思い出せなくて。




すっきりはしなかったけど、お陰で雨宮さんことは考えずに済んでちょうど良かったかな、なんて思ったりした。




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