あなたのことは絶対に好きになれない!
そんな風に言われて……

またドキッとしてしまいそうになって……。



何を言われたって、あなたのことは絶対に好きにならない……


そう思うのに、気が付いたらさっきまで全身を固めていた緊張感は消えているのも事実だった。


苦手な男性に手を握られているのに、嫌な感じもしていなかった。
それどころか、どこか懐かしい、心地良い感じがする。



「……分からないです」

そうは答えるけど。


でもそれは、拒絶の言葉ではなかったからか、オウスケくんも「うん」と答え、そして小さく笑った。



オウスケくんのこと、ドS男としか思っていなかったけど、本当は愛情表現が下手なだけで、もっと安心して接して良い人なのかな……?




「……少しだけ、飲もうかな」

独り言のようにポツリと呟くと、オウスケくんがタッチパネルを操作してくれる。


「ビール? サワー?」

「お酒はあまり強くないので、ジュースみたいなやつで……」

「じゃあこれとか。あ、これも飲めるんじゃない? これも」

「え、あのっ? 私、そんなには飲めません……!」

「大丈夫大丈夫。飲み切れなかったら俺が飲むから」

そう言って、オウスケくんはお酒を一気に注文した。


でも、結局そのほとんどを私に飲ませようとしてきて……
その結果……。
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