身長10cm差の恋は成立するのか。
首をかしげている私に、朋ちゃんはしかたないなと小さくつぶやいた。
「でも話す前に学校出よう。
もう下校時間になるから」
時計を見るともう5時を過ぎていた。
うちの学校は土曜日の完全下校の時間が5時と決まっている。
「あ……もう5時過ぎたんだね。
ごめんこんな時間まで待たせて」
朋ちゃんはリュックを自分の机の横からとり、背負う。
「別にいーよ。
さ、出よ」
私たちは昇降口まで行き、靴を履いて学校を出た。