恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】

ホテルに戻るタクシーの中で東屋さんと二人になって、漸く身体の緊張が解けた時。
事の重大さが、ひしひしと心を浸食した。



「……すみませんでした」

「なんか謝るようなことした?」

「わ、わかんないですけど……勝手に、田倉さん説得しようとしたり、して」


それが余計に悪い結果をもたらしたかどうか、それもわからない。
わからないから余計に、自分の責任のような気がしてしようがなかった。



「一花が大人しいとなんか気持ち悪いな」


俯く私を揶揄うようにそう言って、同時に何かぺりぺりと包装を剥がすような音がした。


「お前がじっとしてるわけないって最初からわかってたし。それに、相談はしただろ」

「え?」

「襖閉める瞬間、あんだけ眼力飛ばされたら嫌でもわかる」



そ、そんなに睨んだつもりはないんだけど。
でも、気付いてもらえるように念は込めてたかもしれない。


つんつん、と頭をつつかれて、つい顔を上げた私の口に、いきなり放り込まれたのは、キャラメル味のチュッパチャップスだった。


さっき、お店のレジに並んでたやつだ。


「それにさあ。よく考えてみろ」

「う?」

「お前見捨ててみろ、藤堂部長にズタズタになるまで罵られるわさよさんには軽蔑されるわ、本部長にドヤされるよりそっちの方が怖い」


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