恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
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東屋さんのマンションで、ベッドに腰かけながら今日迷惑をかけてしまった友人たちにメッセージを送って、それから西原さんにも連絡をした。
藤堂部長と用があって会社に来ていたみたいだったから、西原さんにもメッセージを送ったのだがすぐに折り返し通話着信が鳴る。
正直、何をどう言えばいいのか言葉が見つからなかったのだけど、西原さんの方から切り出してくれて内心ほっとした。
『良かった、東屋くんちゃんと捕まえられたんだ』
「ご、ご心配をおかけして……」
『もー、びっくりした。東屋くんが給湯室出てって、ほんとすぐくらいに大きな音がして』
「え?」
『見に行ったら、糸井くんと大喧嘩してるんだもの』
驚いて反応が一瞬遅れた。
「え……東屋さんと糸ちゃんが!?」
『そう。東屋くんが殴りかかって糸井くんも退かないし、止めるの大変だったのよ。隆哉さ……部長が止めてくれたけど』
そうだ、東屋さんが血相を変えて追いかけて来てくれたのは、糸ちゃんと何か話したからに違いないのだ。
わかってたのに、すっかりその件を聞くのを忘れてしまっていた。
さぁ、と血の気が引く。
まさか、そんな大喧嘩になってたなんて、しかも社内で。
東屋さん、何にも言わないし!
どういうことか聞こうにも怪我の有無を確かめようにも、当の本人は私と交代してシャワーの最中だ。
慌てふためく私に、西原さんの言葉が続く。
『でも、東屋くん、かっこよかったよ』
「え、な、なんですか」
『糸井くんにね。”そんなに紗世が好きならこそこそしないで正面きって取りに来い、やらないけどな!”って』
ふふふ、とスマホから含み笑いが漏れて聞こえる。
恥ずかしさで顔から火が出そうだけれど、それ以上に、嬉しくて。
折角おさまっていたのにまた目頭が熱くなる。
どうして言ってくれないんだろう、西原さんが教えてくれなかったら知らないままだった。