だからそれは、愛じゃない。




 萌ちゃんの笑顔に元気をもらいながら話していると、次々とクラスの人達が入ってくる。


 ……祐樹と鶴橋くんが来ない。クラスが違うのかもしれない。


 制服のポケットに入れてたスマホのバイブが鳴り、スマホに目を通すと、


『クラス違ったな。俺、1組………』

と、ショボンとした鶴橋くんからのLINEがきていた。



 申し訳ないけどクラスが違う事だけで、どうしようもなく嬉しくて、少し顔の表情が和らいだ。



 ホームルームまであと1分。



 1つの席以外は、もう皆席が埋まっていた。



 窓……窓側の後ろの席。
 あの席が祐樹なワケない。でも気になってソワソワしていると、


『朱里、朱里! 和谷くんきたよ!』


萌ちゃんが私にヒソヒソと教えてきた。


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